野球をしている人の4人に1人が痛みを有していると言われています。そして痛みがあるが医療機関を受診するのはたったの約20%と言われており、残りの約80%は湿布を貼って誤魔化しているか痛みを我慢して野球を続けています。

病院を受診すると安静を指示されますが安静にするだけでは再発してしまう事が多いです。肩を痛めてしまう根本的な原因を知り、安静期間中にしっかりと再発防止も含めて改善を目指しましょう。

  1. 投球障害肩とリトルリーガーズショルダー

    1. 投球障害肩(野球肩)

      投球動作の繰り返しにより肩に痛みが出てしまうものの総称です。投球障害肩の代表的な疾患として「上方関節唇損傷(SLAP)」や「腱板関節面断裂」があります。

      肩の痛みは投球のある一瞬だけで、日常生活では痛みを自覚する事はありません。

    2. リトルリーガーズショルダー

      骨端線

      リトルリーガーズショルダーも投球障害の1つです。骨がまだ成長途中である小中学生に現れる肩の痛みがリトルリーガーズショルダーと呼ばれます。

      骨には骨端線(成長線)があり、成長期の頃には力学的に弱い部分になります。

      投球動作の繰り返しによりストレスが蓄積することで投球時に痛みを訴えるため投球障害肩と呼ばれます。

      整形外科を受診しレントゲン撮影を行うと---部分(ここが骨端線)の拡大像を認めます。

      骨端線の拡大の状態により

      Ⅰ型:骨端線の部分的な拡大

      Ⅱ型:骨端線全域の拡大

      Ⅲ型:すべりを伴うもの

      と分類されます。

      リトルリーガーズショルダーが今後の活動・生活に深刻な問題をきたす事はありませんが、練習量や投球数を見直す対応が必要になってきます。1995年に日本臨床スポーツ医学会の「青少年の野球障害に対する提言」で、全力投球数について小学生は1週間で200球以内、中学生は350球以内と提唱されました。

  2. 投球動作

    投球
    1. 全身を使った投球動作

      投球動作は、足から順に体幹、腕へと運動が連鎖していき最終的にボールへ力が伝達される事で完成する全身運動です。この足から体幹、腕への連鎖的な運動に問題があり、エネルギー伝達にロスが生じてしまう場合や、足で踏ん張れないなど足の機能低下がある場合など、そのマイナス分を補うために腕(肩)への負担が大きくなります。見た目としては「手投げ」と言われる投球フォームになってしまいます。この手投げが投球時の肩の痛みに繋がるとよく言われています。

  3. 投球障害肩(野球肩)の原因

    1. 野球肩になり得る肩の動き

      野球肩の肩の動き

      投球障害肩(野球肩)の症状が出てしまう原因として肩の動きに問題があることがあります。

      野球をやっている方、また実際に肩を痛めて野球肩だと診断を受けた方、画像の3つの動きを確認してみてください。確認方法は投げる側の肩と、反対の肩で動く範囲に差があるかを確認します。投げる側の肩の動きが小さくなっている場合は肩に対するアプローチをしていく必要があります。

      ①最大挙上角度:手を最大限挙げた時の角度に差がないか確認しましょう

      ②結帯動作:手を後ろに回した動きに差がないか確認しましょう

      ③挙上内旋:腕を上げた状態で捻じれる角度を確認しましょう


      肩の動きに制限がある場合投球フォームの修正よりも肩関節の機能の改善を目指す事が大切です。その上でフォームの修正・改善が必要な場合にはフォーム修正を行うといいでしょう。

    2. 投球で肩にかかる負担

      小円筋

      投球時、ボールが手から離れる瞬間には体重の同程度の負担が肩に牽引力としてかかります。

      その引っ張られる牽引力に抵抗してくれるのが筋肉で、その中でも小円筋という筋肉です。そのため投球動作が多くなっていくと小円筋には小さな損傷が繰り返し起こってしまい結果として硬くなってしまいます。筋肉が硬くなってしまう事で肩関節の動きを狭くしてしまい、動きの中で関節のズレが生じ、結果として肩の痛みに繋がります。

  4. 必要なのは安静ではなく肩の機能改善

    肩のリハビリ

    投球障害肩や野球肩と診断を受けると、「安静にしましょう」「投球数を減らしましょう」のように肩を安静にすることを言われる事が多いです。

    安静が必要でないとは思いません。安静期間を設ける事は大切です。しかし、安静にするだけで投げた時の痛みが無くなるでしょうか?【投球障害肩(野球肩)の原因】でもお話ししたように肩関節の動きの問題が投球時の痛みに繋がっています。肩関節は球状の関節をしているため、どこかが硬くなってしまうと動きの中で関節の中心からズレてしまう事が起きてしまいます。このズレが痛みの原因です。投球動作の中で常に関節の中心からズレることなく動きを完遂できることが重要です。ズレてしまう原因をみつけアプローチする事が野球への競技復帰に必要な事です。

  5. まとめ

    ■野球をしている4人に1人は肩に痛みをかかえている

    ■投球動作は足から体幹・腕に向かって連鎖的に起こる全身運動

    ■連鎖的運動の中で問題があると肩への負担が大きくなってしまう

    ■投球時肩にある小円筋という筋肉への負担が大きく微細損傷が起こっている

    ■肩周りの筋肉が硬くなっている事でズレが生じ痛みに繋がる

    ■投球障害肩・野球肩に必要なのは安静ではなく正常な肩関節の動き

D.func.ではアスレティックリハビリテーションにも力を入れていた整形外科・クリニックでの勤務経験のある代表が施術を行います。

スポーツの中で怪我をしてしまった方々の競技復帰のリハビリも行ってきました。

また、スポーツトレーナーとして女子バスケットボール部の帯同も行っていました。

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