胸郭出口症候群とは

About Thoracic Outlet Syndrome

胸郭出口症候群は、腕神経叢と鎖骨下動脈、鎖骨下静脈が鎖骨、第1肋骨や前・中斜角筋、小胸筋といった筋肉によって圧迫・牽引されることで起こる症状の総称です。

症状として首のこりや腕の重だるさ、手の痺れなどがあります。

胸郭出口症候群はTOS(Thoracic Outlet Syndrome)と略されて表記される事もあります。

胸郭出口症候群の発症要因

  • # 01

    解剖学的要因


    ■第1肋骨・鎖骨の骨性異常

    ■頚肋

    ■斜角筋異常

    ■線維性索状物

    ■鎖骨下動脈の異常

    ■肋鎖症候群


  • # 02

    筋肉のアンバランス

    ■前斜角筋症候群

    ■小胸筋症候群

    ■鎖骨下筋緊張

    ■中斜角筋症候群


  • # 03

    姿勢・生活環境


    ■姿勢不良:なで肩や猫背

    ■上肢頭上挙上労働姿勢

    ■重量物挙上


  • # 04

    その他


    ■腫瘍・炎症

    ■胸郭または上肢手術

    ■高カロリー輸液による血栓

    ■動揺肩・下垂肩



胸郭出口症候群の症状と特徴

胸郭出口症候群の症状としては、首や肩のこり感・腕から手にかけての痺れ・腕のだるさがあげられます。

症状の特徴として、自覚的な症状が強い割には、それを裏付ける他覚的所見に乏しいことです。

更に、神経組織の圧迫や、不可逆的変化により、症状の増悪と寛解が起こります。

また胸郭出口症候群は

1.斜角筋症候群

2.過外転症候群

3.頸肋症候群

4.肋鎖症候群

という4つの症候群に分けられ、胸郭出口症候群と診断を受けてもどの症候群による症状なのかを鑑別していかないと必要な施術に繋がっていきません。

Wright test・Roos test・Morley test・Eden testなど症状を誘発する評価を行いますので、症状の有無はもちろん、ご自身が普段感じている症状に近いかどうかもセラピストに伝えてください。

手術はすべき?

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    基本的には保存療法でリハビリを行いながら症状改善を図ります。

    保存療法が無効な時初めて手術を選択します。

    手術が必要となるのは全体の約5~6%で、頚腋窩第1肋骨切除術や前斜角筋部分切除術、神経剥離術などが行われる事が多いです。

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普段の生活でのポイント

  • Point 01

    日常生活・仕事

    日常生活では自覚症状が軽減する肢位を取るようにしましょう。

    重量物の挙上や荷物を下げる動作を可能な限り控えるようにすることも大切です。


  • Point 02

    不良姿勢の改善

    胸郭出口症候群の方は、「胸椎後弯」「頭部前方変位」「頸椎前弯が減少」と言う姿勢の特徴がみられます。

    簡単に言うと、猫背になっていて、頭が前に突き出した姿勢になっています。

    デスクワーカーの方に多く見られる姿勢です。

  • Point 03

    運動療法


    肩甲帯の下垂を防止するために、頚部から肩甲骨周囲、肩関節に対して肩甲帯筋力トレーニングを行う事も必要です。

    トレーニングと言っても辛いことを行う必要はありません。

    このページの下に体操と運動の動画を載せています。まずはやれそうなものからやってみましょう。


胸郭出口症候群に対する体操とトレーニング

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