歳を重ね高齢者になっていくと身体にはどういった変化が起こるでしょうか?

様々な組織の変化が起こりますがその中でも「筋肉」に変化についてお話していきます。

筋肉の変化としては、筋力低下は避けられない変化です。

筋力低下によって転倒のリスクが高くなってしまう危険性があります。

高齢者の転倒は骨折に繋がりやすく寝たきりになってしまう危険もあるため対策をしていきたい問題です。

加齢により運動機能低下(筋力低下など)や運動量自体の減少や活動量の低下による廃用性変化も関連してくるため単に病気やケガの予防をするのではなく、日々の体力づくり・運動習慣が重要になってきます。

筋肉の変化について知り、筋力低下に対して何をすべきか

高齢者と呼ばれる年代になる前に予防としての対策をしていきましょう。

  1. 加齢に伴う筋力の変化

    筋力低下グラフ

    グラフを見てもらうとわかるように筋力低下は年齢と共に起きてしまうものです。

    一般的に筋力は20~30歳代をピークにしてそれ以降は減少していきます。 50歳代から低下の割合が高くなっていき、高齢者である80歳代までに約30~50%低下すると言われています。 加齢による筋力低下は腕よりも足で大きく、特に太ももの筋肉(大腿四頭筋)やお尻の筋肉(殿筋群)といった重力に抗して姿勢を維持するために働く抗重力筋と呼ばれる筋肉の低下が著しい事がわかっています。

    そのため、筋力低下と共に姿勢にも変化がみられるようになってきます。

    1. 高齢者女性に特徴的な筋力低下

      高齢者の女性で特にお尻の横にある中殿筋(足を横に広げるときや片脚で支えるときに大きく働く筋肉)の筋力低下が著しい事がわかっています。この筋肉は安定した歩行を行うために必要な筋肉のため、この筋肉の筋力低下が生活活動量の減少を招き、外出頻度の低下などに繋がっていってしまいます。

  2. 筋力低下の特徴

    筋力低下

    筋肉には瞬発力を必要とする時に働く速筋線維と、持久力を必要とする時に働く遅筋線維という線維があります。

    高齢者になると収縮速度の速い速筋線維の方が、遅筋線維よりも弱くなることがわかっています。

    そのため加齢による筋肉の変化の特徴としては、素早く筋力を発揮するという事が難しくなります。

    筋肉を素早く動かすことができるかを簡便にテストできるものとして「5回立ち上がりテスト」というものがあります。この5回立ち上がりテストに関しては「転倒のリスクがわかる?~足の筋力を検査してリスクを知ろう~」で動画も踏まえて詳しくお話しています。こちらも確認してみてください。転倒のリスクも把握できるテストになっていますので安全に配慮した環境の中で実践してみてください。

  3. 高齢者のトレーニングには「筋パワー」

    瞬発的に力を発揮するような筋肉の働きを「筋パワー」と呼びます。高齢者では筋力低下だけでなく、この筋パワーの低下も大きいと言われています。この筋パワーの能力は歩行や階段昇降、椅子からの立ち座りといった移動するために必要な動作に関連があると言われています。そのため筋パワーの低下に対してなにも行わないと日常生活での支障が大きくなり、また転倒のリスクも大きくなってしまいます。高齢者に対しては筋力のトレーニングよりも筋パワーのトレーニングをした方が動作能力やバランス機能を改善するのに有効であるという研究報告もあります。

    「筋力低下の特徴」で出てきた5回立ち上がりテスト自体が筋パワーに対するトレーニングにもなります。

  4. 筋パワーの評価

    座位ステッピングテスト

    5回立ち上がりテストも筋パワーを評価する手段として用いられます。

    他にも「座位ステッピングテスト」と言うものがあります。5回立ち上がりテストよりも準備があり、実施時間が少し長くなってしまいますが、こちらも転倒のリスクが把握でき、筋パワーの評価だけでなく筋パワー改善のためのトレーニングにもなってきます。

    1. 座位ステッピングテストのやり方

      準備する物


      椅子・ストップウォッチ・テープ


      やり方


      ①床に30㎝幅でテープを貼る

      ②椅子に浅く座り両足を2本のテープの内側に置く。

      ③出来るだけ早くつま先をテープの外側と内側にタッチする

      ④20秒間で内側にタッチできた回数を数える


      カウントしないNGなやり方


      ■線を踏んでいる

      ■つま先が床をタッチしていない

      ■床を滑らせている

    2. 座位ステッピングテストの結果解釈

      内側をつま先でタッチした数によって転倒のリスクがわかります。

      回数によって5段階のグループに分けます。


      ~24回  【1】

      25~28回 【2】

      29~43回 【3】

      44~47回 【4】

      48回以上 【5】


      5に近いほど転倒のリスクが少なく、2以下の場合リスクが高いため注意が必要になります。

  5. 座位ステッピングテストを動画で確認

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